精神医学日記

理解が困難であった精神科の多くの病気をわかりやすく一元的に説明します

パーソナリティ障害の特徴について②自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)編

さてこの前、2(矢印)×2(強さ)=4 タイプの特徴を詳しくみてみた。

そしてここでは境界性人格障害について述べた。

http://nosmo.hatenablog.com/entry/2012/06/28/044515

 

それではこの他にはどのような表現型があるのだろうか。

2(矢印)×2(強さ)=4の矢印2本だと

・All or Nothingの思考

・細かいところまで気づく

といったところがある。そして境界性人格障害は太い矢印が恋愛になる場合であったが人生の優先順位が

・仕事

だった場合どうなるであろうか?またこのような場合、同列に

・自分

が来る場合が多い。これは境界性人格障害でも実は同じなのだが何らかの形で人は必ず自分自身に矢印が向いている。これはほぼ絶対である。だれしも自分が大事なことは明らかであろう。

さてそれではこの仕事、自分に太い矢印が向いた場合どうなるか。

それはまず恋愛の場合のようにとりあえず寝ても覚めても仕事の事ばかり考える。

そして仕事の結果に対し一喜一憂し精神的にやや不安定にはある。また自分が大切であるため仕事にかける思いと相まって強い出世欲がみられる。

これは政治家などに多いタイプである。

仕事はできるが家庭ではいいお父さんではないタイプがみられまた同僚からは「何あの人おべっかばっかり」といって嫌われるパターンが多い。

そしてこれは自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)と呼ばれている。

この場合、境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)と大きく違う点は何かというと恋愛と違って仕事は逃げないのである。

恋愛は対人なので重い矢印が向かってくるとどうしても避けてしまう傾向にある。しかし、仕事は無機質なものなので逃げない。

それゆえ不安定になる割合は境界性人格障害よりもうんと低く、精神は安定している事も多いためリストカットや過量服薬のような自傷行為は行わない。

そのため本人は困らず病院にも来なくて済み、医療者の目に触れる機会は極端に少なくなるのである。

これは男性に多くみられる。女性は恋愛、男性は仕事に重点が行く場合が多いことを考えると当然である。

ただもともとのその人の性格や資質の部分ではこの2つになんら違いはない。

 

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