ADHDとアスペルガー症候群は合併しない
さてそれではADHDとアスペルガー症候群の特徴をみたがここでひとつの疑問が生じる。
世間ではADHDとアスペルガー症候群が合併すると言われ両方とも診断のついているひとも多くいる。この2つは合併するのだろうか?
しかしこれまで述べた矢印によるとADHDとアスペルガー症候群は180度違うもののようにみえる。もう一度図でみてみよう。
<↓ADHD>
<↓アスペルガー症候群>
これだけではよくわからない人は過去の記事をみて欲しい。
http://nosmo.hatenablog.com/entry/2012/06/19/123707
http://nosmo.hatenablog.com/entry/2012/06/20/161515
http://nosmo.hatenablog.com/entry/2012/06/21/102940
これをみるとやはりADHDとアスペルガー症候群は正反対の性質を持っている。
それではなぜこの2つが合併する場合が多いと言われるのだろうか。
ここには隠されたひとつの共通した特徴がある。
なんだかわかるだろうか?
こたえは「不注意」である。
ADHDは不注意の典型例だ。注意欠陥多動性障害というくらいなので不注意が主症状である。なぜ不注意になるかというと色々なところに矢印がいくからひとつの事を覚えていられない、物忘れも多くなるといった事が理由だ。つまりこういう事だ
ADHD君「そろそろ出かけなきゃ。えーっとゴミ捨ててから家を出よう。あー今日は何しようかな、出かけたらまずゴールドラッシュのハンバーグ食べてー。あ!昨日のイチローはヒット打ったかなちょっと歩きながらiPhoneで調べてみよう、いってきまーす!イチローは。お!4タコ。くっそー!・・・・・・・あーーーーーーっ!ゴミ忘れたー!!」
そして一方でアスペルガー症候群も不注意になる。ADHDの場合と逆でこれはひとつの事のみに集中してしまうために他のものが一切見えなくなる、その事によって不注意といった症状が引き起こされる。
アスペルガー君「そろそろ出かけなきゃ。えーっとゴミ捨ててから家を出ましょう。さて、私の大好きなイチローの打率を調べよう。イチローは内野安打の率が高い、今回のピッチャーであるウェイクフィールドはナックルボールが得意でこれとの相性は確か何割でナックルボールは内野安打率が何割だから今回イチローがヒットを打ってる可能性はほぼゼロに等しいですね。イチローは、あ、やはり4タコですね。この情報も私の頭にきちんとインプットしておきましょう! あ、ゴミ忘れた、まあいいですね。」
これを臨床の場では
医師「え?なになに。イチローの事を死ぬ程詳しく調べてるって?あーこの子はアスペルガー症候群ですねー。え?ゴミ出そうとして忘れたりすることもあるんですか?不注意もありますねー物事に集中できてないのかな、じゃあチェックリストでADHDも当てはまりますね。じゃあADHDも合併で!」となるのである。
この2つの見分け方は周りを気にしすぎて不注意になるのか、過集中で不注意になるかをきちんと見分ける事である。
チェック式診断は現在の精神医療の弊害となっている。それは表面の症状しか見ていないためたくさんの病名がついてしまう。
そしてたくさんの病名がつくと薬もそれに合わせて増えてしまう。
薬は最低限使えばいい、それが私の考えでもある。
むやみやたらの診断は控えたいものだ。